黒い金網と,奇妙なかたちで宙に浮いている,動かない鳥。[写真1]
何がおきているのか,よく分かりませんでした。
近づいて,ようやく鳥が金網に挟まっているのだと理解できました。

ツグミです。
すでに死んでいます。
金網があるのに気づかなかったのか,通り抜けられると目測を誤ったのか。
勢いよく突っ込んで,頭と翅の半分が突き抜けたところで,胴体が引っかかってしまったようです。

何気ない日常のなかで,突然訪れた死。
「もののあはれ」を感じさせますね。

同じツグミかどうかわかりませんが,1週間ほど前に,近くの土手で1羽のツグミが餌を漁っていました。[写真13][写真14]
ツグミはシベリアの針葉樹林に広く生息し,秋になると日本各地へ冬鳥として渡来します。
渡りをするときには群れで行動していますが,日本に渡ってきてからは単独で行動し,3月にまた群れになってシベリアへ帰ってゆきます。

長距離の飛行には体力を使うので,渡りの前には脂肪を蓄え,体重を増やすそうです。
いつもなら通り抜けられた隙間が,今の時期には通れなくなるのかなとも思いましたが,そんなドジな鳥がいるはずがありません。
やはり人工物の金網が,認識できなかったのだと思います。
シカの防除柵に鳥がぶつかるという話も聞いたことがあります。