このところ,日の出前の空にひときわ明るく輝く星が残っています。
明けの明星,金星です。
1月2日には,月齢25.8の細い月と並んで輝いていました。[写真1]
望遠で撮ると,地球照で月が丸く見えます。[写真2]
(地球照とは,月の欠けている部分が地球に照らされてほのかに見える現象)

内惑星である金星は,月と同じように満ち欠けをしています。

今年の西方最大離角は1月6日だったので,下弦の月のような「半月」の形をしていたはずですが,デジカメの望遠では形を確認することはできませんでした。

1月21日には,金星の近くに2つの明るい星が輝いていました。[写真3]
木星と,さそり座のα星アンタレスです。
2日後の1月23日は金星と木星が今年前半で最も近づく日だったようです。
国立天文台の「ほしぞら情報(2019年1月)」には次のように書いてありました。

1月22日から23日に日付が変わるころ、金星と木星が今年前半で最も近づきます。ただし、この時日本では、二つの惑星はまだ地平線の下にあり、金星・木星とも昇ってくるのは翌23日の午前4時前になります。日の出1時間前には、南東の空で、だいたい満月5個分ほど離れて、仲良くならんで見えるでしょう。

地球,金星,木星がどういう位置関係になっていたのか,HEAVENS ABOVEというサイトの太陽系シュミレーターで1月21日の惑星の位置を調べてみました。
表示された軌道図を基に作成したものが下図です。

地球から見ると,確かに金星と木星が同じ方向に位置していますね。

金星は地球より内側の軌道を回っているので,真夜中には見ることができません。

逆に昼間は明るくて,空にあるのに見ることができません。
昼と夜の境目の,明け方(明けの明星)か日没後の早い時間(宵の明星)にだけ姿を見せます。

1週間後の1月28日には,金星と木星の位置関係が変わっていました。[写真4]
月は下弦で[写真5],天頂近くにあります。
2月1日には,月は金星とほぼ同時に昇り,金星とかなり接近していました。[写真7]
2月2日には,月は金星,木星よりかなり遅れて出てきました。[写真8]

2月18日6時7分,金星の下方に土星が見えます。[写真9]
弱々しい光なので,8分後には見えなくなっていました。[写真10]
2月18日,19日は金星と土星が1°近くまで接近する日だったようです。
国立天文台の「ほしぞら情報(2019年2月)」には次のように書いてありました。

2月19日、この土星と金星が接近します。地球に近い惑星ほど、星空に対して一日ごとの位置の変化が大きく、遠くの惑星はそれほど位置を変えません。特に、地球の一つ内側をまわる金星は、位置をどんどん変えていきます。1月初めにはてんびん座にあった金星は、さそり座・へびつかい座を経て、2月には土星と同じいて座の領域に入ってきます。そして、日本からは地平線の下にある時刻となりますが、二つの惑星は2月18日の宵に最も近づき、19日の明け方、ほとんど並んで昇ってきます。マイナス4等を超える明るさの金星の輝きに比べ、0.6等の土星は控え目に寄り添うように見えるでしょう。

前述の太陽系シュミレーターで表示された軌道図を基に作成したものが下図です。

地球,金星,土星が一直線に並んでいます。

金星のことは今まで書いたことはないだろうと思っていましたが,検索してみると,7年前に金星の太陽面通過について書いていました。
2012年6月6日