路上にミルンヤンマ(♀)が死んでいました。[写真1][写真2]
ひと月前に,ミルンヤンマ(♂)がいた場所(→2019年8月24日)のすぐそばです。
やはり,傍の水路が繁殖場所のようです。

♂♀の翅を見比べてみると,微妙な違いがありますね。
[写真5]は♂の翅,[写真6]は本個体(♀)の翅。
後翅の肛角部分,♂は角ばって張り出しているのに,♀は丸くなって張り出していません。[写真7]

♀の前後翅の付け根部分は茶色く色づいています。[写真8]
北隆館『新訂原色昆虫大図鑑』(2008年)には,次のように書いてありました。

♀の翅の基部は褐色であること多く,時に結節をこえて延長する。

この個体の褐色部分は結節をこえていませんが,翅全体が汚れたように褐色に色づいています。[写真3]
洗ってみましたが変化はないので,汚れていたわけではないようです。

♂の尾部には上付属器・下付属器がありますが,♀にはなく,かわりに尾毛(びもう)と産卵管があります。[写真9][写真10]
この個体の腹部第8節は,腹板がなくなっていて,中が空洞になっていました。
アリに食べられた訳ではないようですが,産卵後にはこうした状態になるのでしょうか。