前日の雨のせいでしょうか,歩道の端にたくさんのドングリが落ちていました。
殻斗をつけているものは一つもありません。
みんな殻斗を枝に残してドングリ(堅果)だけが落下したようです。
先の尖った楕円形の形はウバメガシのドングリです。

横にある木を見ると,枝に殻斗をつけたドングリがなっていました。
殻斗の鱗片が屋根瓦のように積み重なっていて,コナラのドングリに似ています。
アラカシやシラカシのドングリは殻斗が輪が積み重なったような形をしています。

ウバメガシ(堅果)
ウバメガシ(堅果)[ in岡崎成勝寺町 on2022/11/2 ]
ウバメガシ(堅果)
ウバメガシ(堅果)[ in岡崎成勝寺町 on2022/11/2 ]
ウバメガシ(堅果)
ウバメガシ(堅果)[ in岡崎成勝寺町 on2022/11/2 ]

『牧野新日本植物図鑑』(1961年)にはウバメガシについて次のように書いてありました。

356. うばめがし(いまめがし,うまめがし) 〔ぶな科〕
Quercus phillyraeoides A.Gray
 暖地の山中や海辺の地にはえる枝や葉の多い常緑樹。低木状あるいは高木となり,大きいものは高さ10m。径60cmにもなる。新枝には黄褐色の短い綿毛が密生する。葉は互生,淡褐色の毛が密生する柄があり,倒卵形ないし長楕円形,先は鋭形または円形,基部は円形またはやや心臓形,ふちには上半部にきょ歯があり,葉の長さは2~6cmぐらい,葉質は厚く,初めは毛があるがのちに平滑となり,側脈は5~6対あるが明瞭ではない。雌雄同株,開花は5月。おはなの尾状花穂は新枝の下部につき,黄色の小花を多数つけて垂れ下がる。おばなのがくは短かい鐘状で,浅く4~5裂し,おしべは4~5個で,がくからつき出している。めはなの穂は新枝の上部につき非常に短かく,普通2個の花がつく。めばなは総包につつまれ,花柱は3個である。堅果は楕円形あるいはやや紡錘状楕円形で,先端は尖り,褐色で長さ2cmくらい。殻斗はわん形で,ふちは薄く,外面にはカワラ状に重なった鱗片が密に接着している。材は堅いので備長炭という良質の木炭を作るのに用いる。果実は食べられる。変種にチリメンガシ(var. crispa Matsum.)があり園芸品で,葉にしわが多い。また,フクレウバメ(va. subcrispa Makino)は葉にふくれたしわがある。 〔日本名〕姥目ガシは若葉が褐色であるからである。イマメガシ,ウマメガシは転化したもの。

●「堅果は楕円形あるいはやや紡錘状楕円形で,先端は尖り,褐色で長さ2cmくらい。」

ウバメガシ(堅果)
ウバメガシ(堅果)[ in岡崎成勝寺町 on2022/11/2 ]
ウバメガシ(堅果)
ウバメガシ(堅果)[ in岡崎成勝寺町 on2022/11/2 ]

●「殻斗はわん形で,ふちは薄く,外面にはカワラ状に重なった鱗片が密に接着している。」

ウバメガシ(殻斗)
ウバメガシ(殻斗)[ in岡崎成勝寺町 on2022/11/2 ]
ウバメガシ(殻斗)
ウバメガシ(殻斗)[ in岡崎成勝寺町 on2022/11/2 ]
ウバメガシ(堅果)
ウバメガシ(堅果)[ in岡崎成勝寺町 on2022/11/2 ]
ウバメガシ(堅果先端)
ウバメガシ(堅果先端)[ in岡崎成勝寺町 on2022/11/2 ]

●「葉は互生,淡褐色の毛が密生する柄があり,倒卵形ないし長楕円形,先は鋭形または円形,基部は円形またはやや心臓形,ふちには上半部にきょ歯があり,葉の長さは2~6cmぐらい,葉質は厚く,初めは毛があるがのちに平滑となり,側脈は5~6対あるが明瞭ではない。」

ウバメガシ(枝葉)
ウバメガシ(枝葉)[ in岡崎成勝寺町 on2022/11/2 ]
ウバメガシ(葉)
ウバメガシ(葉)[ in岡崎成勝寺町 on2022/11/2 ]
ウバメガシ(葉裏)
ウバメガシ(葉裏)[ in岡崎成勝寺町 on2022/11/2 ]