草抜きをしていると,小さなスミレの花が咲いていました。ヒメスミレです。濃い紫色の花はスミレに似ていますが,スミレよりは二回りほど小さく感じます。
根から抜き取ろうとしたのですが,太い根が地中深く入っているので抜けなくて,途中でちぎれてしまいました。
「牧野新日本植物図鑑」(1970年)には,ヒメスミレについて次のように書いてありました。
1633. ひめすみれ 〔すみれ科〕
Viola minor Makino
本州から台湾にかけての人家近くのやや日当たりの良い場所を好む多年生の小草本で,無茎種であり,ふつう植物体には毛はない。根は白色で地中に深く入っている。葉は束生,葉身はほこ形の長卵形または長三角形で長さ2~4cm,基部は矢はず状の心臓形になるものが多く,深い緑色でやや光沢がある。葉柄は狭長で葉身より短い。4月に開花し,花柄は葉むらより高く伸び長さ10cmほど,中途に皮針形の包葉を2枚つける。花は濃紫でスミレに比べると大分小形で,横向きに咲き,径は10~12mmである。がく片は狭長でとがる。花弁は狭長で,側弁の内側には毛がはえ,唇弁の距は長さ3~4mm,ほとんど白色で紫の斑点が入っている。さく果は卵形で短かくとがり,断面はほぼ三角形,毛はなく,長さ7mmぐらいである。本種はスミレに近縁であるが,全体が小形,根は白色,花は小形,葉は矢はず状心臓形になるのでたやすく区別できる。全体に微毛が密生する品種をケヒメスミレという。九州や台湾に多い。〔日本名〕姫スミレ,スミレに似てより小形であることにちなむ。
・「葉は束生,葉身はほこ形の長卵形または長三角形で長さ2~4cm,基部は矢はず状の心臓形になるものが多く,深い緑色でやや光沢がある。葉柄は狭長で葉身より短い。」
・「花柄は葉むらより高く伸び長さ10cmほど,中途に皮針形の包葉を2枚つける。花は濃紫でスミレに比べると大分小形で,横向きに咲き,径は10~12mmである」
・「がく片は狭長でとがる。」
・「花弁は狭長で,側弁の内側には毛がはえ,唇弁の距は長さ3~4mm,ほとんど白色で紫の斑点が入っている。」