歩道脇のすき間から伸びた細長い茎の先に,紅紫色の花が咲いていました。ホトケノザです。「仏の座」とはよく付けた名で,鉢状の葉の上に唇形花が咲いている様子は,蓮華座に仏様が立っているように見えます。
『牧野新日本植物図鑑』(1961年)にはホトケノザについて次のように書いてありました。
2112. ほとけのざ(さんがいぐさ,ほとけのつづれ,かすみそう) 〔しそ科〕
Lamium amplexicaule L.
アジア,ヨーロッパ,北アフリカに広く分布し,畑のあぜや道はたに普通にみられる1~2年生の小形の草である。茎は細く四角形で下部で多数枝分れしてむらがり,高さ10~30cmとなる。葉は対生し,上部のものは半円形で柄がなく長さ幅ともに1~2.5cm,下部のものは円形で長い柄があり,長さ幅ともに1~2cm,ふちには鈍きょ歯がある。 4~5月頃,上部の葉のわきに紅紫色の小さい唇形花を数個密に輪生する。がくは長さ約5mm,毛が多く5裂し,花冠は長さ17~20mm,筒部は細長く下層は3裂する。閉鎖花をつけることが多い。春の七草のホトケノザはキク科のタビラコのことであってこの植物ではない。 〔漢名〕寶蓋草。
・「茎は細く四角形」
・「葉は対生し,上部のものは半円形で柄がなく長さ幅ともに1~2.5cm」
・「 4~5月頃,上部の葉のわきに紅紫色の小さい唇形花を数個密に輪生する」
・「がくは長さ約5mm,毛が多く5裂」
・「花冠は長さ17~20mm,筒部は細長く下層は3裂する」