たて続けに,カミキリムシが地面にひっくり返っていました。
脚を激しくばたつかせているので,2頭とも砂埃で真っ白です。


どちらも全身まっ黒で,ノコギリのようなギザギザの触覚があります。
ノコギリカミキリだろうと思いますが,すぐに断定はできません。
よく似たニセノコギリカミキリもいるからです。
この2頭はどちらでしょうか。
・先ず,この2頭は♂と♀です。
♂は腹端が翅端を超えませんが,♀は腹端が翅端から突き出ています。




体は♀の方が明らかに大きいです。


・ノコギリカミキリとニセノコギリカミキリの♀には,識別しやすい相違点があります。
ノコギリカミキリの♀は触覚が12節あるのに対して,ニセノコギリカミキリの♀は11節です。
この♀個体は触覚が11節なのでニセノコギリカミキリだと分かります。

ニセノコギリカミキリの前胸背板は(ノコギリカミキリに比べて)光沢が鈍い,という特徴とも合致します。

・それに対して♂はどちらも12節なので,節数だけではどちらとも判別できません。


・前胸背板は♀同様,ニセノコギリカミキリは(ノコギリカミキリに比べて)光沢が鈍いです。
この♂個体は明らかに光沢が強いのでノコギリカミキリだろうと思います。

・前胸背板の光沢は相対的なものなので,確実な識別点は後脛節の上縁に縦溝があるかどうかです。
縦溝があればノコギリカミキリ,なければニセノコギリカミキリになります。
ところがこの縦溝の識別がやっかいです。
黒くて細い脚に溝があるのかどうか見極めるのは難しい上に,側面にも凹みがあるので紛らわしいです。
図鑑にある「後脛節の上縁の縦溝」がどの部分をさすのかはっきりしないのですが,今回ニセノコギリカミキリと確定した♀の標本があるので,比較してみました。
これを見ると少なくともニセノコギリカミキリの方には,溝がないことがはっきりわかります。

