ミズヒキの細くて長い茎に赤い花が連なっていました。
上から見ると赤い花に,下から見ると白い花に見えます。
先の曲がった花柱が2本突き出しています。

中を見るため切ろうとしたら硬くて切れません。
よく見ると花だと思ったものは,実(痩果)でした。
上側が赤色,下側が白色の薄い皮(宿存萼)に包まれています。

花は長い花軸の中間あたりに1輪だけついていました。
こんな小さな花が全て結実しているということは自家受粉でしょうか。

ミズヒキ
ミズヒキ[ in日ノ岡一切経谷町 on2022/10/9 ]
ミズヒキ(花軸・上から)
ミズヒキ(花軸・上から)[ in日ノ岡一切経谷町 on2022/10/9 ]
ミズヒキ(花軸・下から)
ミズヒキ(花軸・下から)[ in日ノ岡一切経谷町 on2022/10/9 ]
ミズヒキ(痩果)
ミズヒキ(痩果)[ in日ノ岡一切経谷町 on2022/10/9 ]
ミズヒキ(痩果)
ミズヒキ(痩果)[ in日ノ岡一切経谷町 on2022/10/9 ]
ミズヒキ(痩果)
ミズヒキ(痩果)[ in日ノ岡一切経谷町 on2022/10/9 ]

『牧野新日本植物図鑑』(1961年)には,ミズヒキについて次のように書いてありました。

493. みずひき 〔たで科〕
Polygonum filiforme Thunb.(=Tovara filiformis Nakai)
山地や山ぎわあるいは林の草むらなどに多くはえる多年生草本。茎は直立してまばらに分枝し,高さ50~80cmぐらいで長い毛があり,節はふくれて,茎の質は硬い。葉には短い柄があり,互生,広楕円形または倒卵形で,葉の先は鋭形,基部も鋭形で,長さ5~15cmぐらい,葉質はやや薄くてやや硬く,両面とも毛がまばらに生え,葉面にはしばしば黒色の斑紋がある。夏から秋にかけて,茎の先から数本の長い鞭状の細長い花軸をぬき出し,まばらな穂状に赤色小花をつける。花には短い小柄があり,開出して,少し弓形に曲がり,下面は色がうすい。がくは4裂し,裂片は卵形で,先はやや鋭く,長さ2~3mmぐらいである。花弁は無い。おしべは5個。子房は卵円形で,頂に大形の花柱が2個あり,子房よりも長い。そう果は卵形でレンズ状にふくらみ,そう果と同じ長さの宿存がくにつつまれ,長さは2.5mmぐらいである。花柱は花の後も残って宿存がくからとび出し,先端がかぎ形に下方に曲がっている。白花のものをギンミズヒキ(f.albiflora Makino)紅白がまざったものをゴショミズヒキ(f.bicolor Makino)という。 〔日本名〕水引。花穂を水引にたとえたものである。〔漢名〕毛蓼。金線草は多分別のものであろう。

ミズヒキ(花)
ミズヒキ(花)[ in日ノ岡一切経谷町 on2022/10/9 ]
ミズヒキ(葉)
ミズヒキ(葉)[ in日ノ岡一切経谷町 on2022/10/9 ]