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クロセセリの蛹

2007年12月24日
  • クロセセリ
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10月に採取したクロセセリの幼虫5頭のうち,1頭だけが蛹になっています。
他の4頭は寒さに耐えられなかったのか,蛹になる前に死んでしまいました。

[写真4]は10月20日に写した蛹化前の状態です。
体を包む葉に白い結晶がついています。
他の幼虫の飼育ケースにも白い粉が付いていましたが,この白い粉は何でしょうか。

体に巻きついている枯れた葉を剥いでみました。
体長は33mm。
体を葉にくくりつけている白い糸が見えます。
葉に包まれているとわかりませんが,帯蛹だったのですね。
[写真2]が背中側,[写真3]が腹側です。
長い口吻が外に突き出ています。

クロセセリは元々南方系のチョウで,ナガサキアゲハ,クロコノマチョウ,ツマグロヒョウモンといった近年分布域を北上させているチョウの一つです。
九条山の自宅周辺でも,夏にはクロセセリの成虫を普通に見ることができます。

幼虫は家の近くに生えているミョウガで採取しました。
毎年秋になると幼虫が姿をあらわすのですが,夏に幼虫がいるのを見たことがありません。
10月頃に孵化するので,蛹化する前に幼虫は寒さで全て死んでしまうようです。
ミョウガも枯れてしまい,この場所で羽化するクロセセリはいないと思うのですが,それでも毎年秋には幼虫の姿を見ます。

クロセセリの分布域拡大に関して,学習研究社「日本産蝶類標準図鑑」(2006年)には次のように書いてありました。

『本種は分布の東北進が目立つチョウである。本州で最初に見つかったのは下関市内で1978年のことであるが1999年には山口県のほぼ全市町村に発生が確認された。1991年島根県に侵入し,現在は六日市町まで生息。広島県には1997年に侵入し,呉市まで生息している。四国では2000年に初記録,おそらく2000年以前に上陸したと思われ,現在は愛媛県大洲市,八幡浜市,三瓶町,宇和町,松山市,丹原町などに生息している。九州からの分散と思われるが,中国地方から分散した可能性もある。それから飛び離れて,1986年京都府亀岡市で採取され,現在までに大阪府高槻市,京都府八木町,京都市,滋賀県大津市で記録されているが,自然分布とは考えにくく,人為的な移入と思われる。』

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