• クロコノマチョウ
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飼育ケースのなかのクロコノマチョウの幼虫2頭が同時に蛹になりました。[写真4]
別々の日に採取したのですが,同じ場所だったので,おそらく一緒に産みつけられたものだと思います。
クロコノマチョウは1か所に3~10個くらいの卵をかためて産みつけるそうです。

前蛹になったのに気づいたのが10月4日夜で[写真1],翌日の朝6時頃に見た時にはすでに蛹になっていました。
終齢幼虫になったのが,9月25日。[写真3]
終齢幼虫になって11日間で蛹になったことになります。

前蛹[写真1]は変わった形をしていますね。
尾部を固定し逆さ吊りになる垂蛹型なのですが,頭を持ち上げ丸まるような体勢をとっています。
ウサギの耳のような頭部角状突起をもつ2頭が並んでぶら下がっている姿は,なかなかかわいらしいものです。

学習研究社「日本産幼虫図鑑」には,幼虫の特徴について次のように書いてありました。(文中の「前種」とはウスイロコノマチョウ)

『終齢における前種「( )内」との区別点は,体長がより長く胴太である(短く細い),頭部角状突起が太く鈍頭で前方で左右にやや広がる(やや小さく広がらない),同突起の色が顔面の黒色部と同色(突起の方がより淡色),胴部の背線,気門線,気門下線が不明瞭(明瞭)。以上の特徴は,若齢と中齢でもある程度認められる。蛹は,側面からみて胸部と腹部の高まりが目立つダルマ型(やや細長い感じ)。色は両種とも緑色型のみ。』

食草については,学習研究社「日本産蝶類標準図鑑」に詳しく載っていました。
『幼虫の野外におけるおもな食草はススキ・アブラススキ・ジュズダマ・アシ・ツルヨシ・ダンチク・ササクサ(別名ササキビ)・マコモ・オギ・ハネガヤ・カリヤスモドキ・メヒシバなどのイネ科,シラスゲ(カヤツリグサ科)。そのほかチヂミザサ・ヒメシバ・アワ・ナルコビエ・トウモロコシ・メダケ・ミヤコザサ(イネ科)などでも幼虫が発見され,チガヤ・アシボソ・チョウセンガリヤス(イネ科)にも産卵が観察されている。飼育の際に与えれば各種のイネ科を食べる。』