巣立ちしたシジュウカラの巣箱を掃除しました。
使用済みの巣箱は,巣をそのままにしておくと,次の巣がつくられません。
前回はそれを知らなかったので,10年以上の間利用されませんでした。
(でも,自然の樹洞に巣を作る場合はどうなのでしょう? 一度巣をかけられた樹洞は再利用されないのでしょうか。)
取り出した巣は,巣箱の形そのままの四角い形をしています。[写真1]
厚さ8cm~6cmにコケを積み上げ,上に白い犬の毛が乗せてあります。
シジュウカラの巣の特徴について,柿澤亮三・小海途銀次郎著「日本の鳥 巣と卵図鑑」(1999年)には次のように書いてありました。
巣の特徴:樹洞などに穴全体を埋めるようにして蘚苔類を積み上げ,その上部を覆うように産座の巣材をのせる。産座には獣毛,糸状に裂いたスギの樹皮,綿,毛糸,蘚類のさく柄などを多量にのせ一部をくぼませて産座とする。
大きさ:外径約15×12cm,厚さ約8cm,内径(産座)約4×4cm,深さ約4cm。
シジュウカラの属するスズメ目の鳥の巣は,外装と内装の二重構造になっています。
外装は巣の土台となるもので木の枝や草などで頑丈につくられます。
内装は保温性の高い柔らかい素材で作られています。
スズメ目の鳥の巣が二重構造になっている理由について,柴田佳秀著「鳥の雑学がよーくわかる本」(2006年)には,次のように書いてありました。
スズメ目の鳥が外装だけでなく内装もつくる理由は,ヒナの生まれ方にあるようです。スズメ目のヒナは,羽毛がなく赤裸で生まれます。そのため体温が奪われやすいので,保温性の高い内装が必要なのでしょう。ですから,内装は,羽毛や獣毛,コケ,枯れ草,樹皮などが使われ,寒くないようにできています。
[写真6]は,生まれたばかりのヒナです。
確かに赤裸で,温かそうな毛に覆われた巣に体を沈めています。
身を寄せ合っているのも,お互いの体を温めるためでしょうか。