窓を開けようとして,下枠の端っこにトンボがとまっているのに気付きました。
外に出れなくて大分もがいたようです。かなり弱っています。
オオシオカラトンボの雌でした。
「シオカラトンボ」の名前がついているのに,体が白くないですね。
「シオカラトンボ」も「オオシオカラトンボ」も,蒼白色の粉で覆われたいわゆるシオカラトンボの色をしているのは,成熟した雄だけです。
雌と,未成熟の雄は,黒色と黄色の縞模様をしています。
北隆館『日本昆虫図鑑』(1956年)には,オオシオカラトンボについて次のように書いてありました。(原文は旧漢字)
シオカラトンボに類するが大型。成熟雄は全体藍色がかった灰白で頭部及び胸部の腹面は黒色。腹部は中央隆条高く,著しく三角柱状を呈し,胸部同様無斑であるが末端の3節は蒼白粉を帯びずに,黒いことが多い。未熟の雄及び雌は体濃黄色。翅胸前に太い2黒帯を有し,腹背1-4はほとんど無斑,5・6節に1対の黒条を認め,以下全部黒色を呈する。尾部付属器は黄色を呈する。翅は透明,翅脈縁紋黒褐。翅端及び基部に黒褐斑があって,後者は後翅においては弧脈の付近まで達する。腹長35mm内外,後翅40mm内外。