いつもの場所にアシボソアミガサタケが出ていました。[写真1]
例年だとお彼岸の頃にはでているはずなのですが,今年はなかなか暖かくならなかったせいが,発生時期が遅れています。
それに加え,冬の間にイノシシがあたりを掘り返してしまっていて,今年は発生数が少ないようです。

出ていたところは,山道に敷設されたコンクリート階段の土際で,そばにはコナラの落ち葉が厚く積もっています。
アミガサタケ類はアルカリ土壌を好むのではないかといわれています。
コンクリートは強アルカリ性なので,コンクリート構造物の近くに発生しているということは,やはりアルカリ土壌を好むということなのでしょうか。

少ないながらも6本採取しました(おいしいキノコなのです)。
よく見ると1本だけ微妙に違う感じがします。
アシボソアミガサタケは,「足細」の名前のとおり,傘の横幅に比して柄の幅が小さいのが特徴なのですが,この個体は柄が太いのです。

「トガリ」アミガサタケと「アシボソ」アミガサタケはよく似ていて,この場所に発生するものも,長い間「トガリ」アミガサタケだと思っていました。
その後,「アシボソ」アミガサタケではないかと思うようになり(→2008年3月26日),迷ったあげく(2010年3月19日),今は「アシボソ」アミガサタケだろうと思っています。

[写真2]左側がいつものアシボソアミガサタケ,右側が不明なキノコ。
左側は,柄上部の幅は傘の幅の2/5,右側は2/3。
[写真3]は縦に切断した断面。
右側は傘表面のひだ(肋脈)の厚みが薄くて,二つに割ると,ぺろんと反り返ってしまいました。

保育社「原色日本新菌類図鑑(Ⅱ)」によると,トガリアミガサタケは茎の「上方は頭部の幅の約2/3内外」,アシボソアミガサタケは茎の「上方はその幅頭部の1/2内外」とあります。
傘と茎の幅の比率からいうと,右側のキノコはトガリアミガサタケのような気がしますが,よくわかりません。