前回に引き続き,タゴガエルのオタマジャクシがカエルになるまでの経過をまとめました。
前回は腹面から(→2015年7月28日),今回は側面からです。

動物の幼生が成体へ急激に形態を移行させることを,変態といいます。
哺乳類,鳥類,爬虫類などは変態をおこないません。
四足動物のなかで唯一両生類だけが変態し,これは両生類共通の特徴です。

オタマジャクシがカエルに変態するのは当たり前のことですが,よく考えるとこれは大変なことです。
水の中を泳いでいた草食動物が,地上を飛び跳ねる肉食動物に,急激に変化するのですから。
体のつくりも内臓も呼吸器官も,短期間で作り替えなければなりません。
そこまで一気に変化させる必要があるのかなとも思いますが,そこが進化の妙なのでしょう。
哺乳類などは,そうした変化を胎内で行っているともいえます。

カエルの種類によって,変態に要する時間は様々のようです。
ウシガエルは幼生のまま越冬し,翌年の夏に成体へとなります。
砂漠にすむヒキガエルのオタマジャクシは8日間で変態を完了させるそうです。
雨が降ってできる一時的な水たまりのなかで,短期間で孵化して成体にまでなる必要があるからです。
今回のタゴガエルは,孵化から変態完了までは25日間でした。
日本のカエルの中では早い方なのだろうと思います。

5月3日から5月23日まで,少しずつ写していたビデオをつなぎ合わせて,一つにまとめました。
写りの悪いところもありますが,写真よりは日々の変化が分かりやすいように思います。

卵を採取した時の様子→2015年4月26日
卵が孵化するまでの様子→2015年5月6日
オタマジャクシからカエルに変化する様子(腹面から)→2015年7月28日