ヨメナの花が咲いていました。
秋に咲く紺色のノギクといえばヨメナかノコンギクか,紛らわしいところです。
いまだに見ただけでは区別がつきません(毎年この場所に咲くのはヨメナです)。
葉っぱを触ってざらついていればノコンギク,滑らかならばヨメナと言われていますが,指でこすっても微妙なことが多いですね。
やはり花をほぐしてみて冠毛があればノコンギク,なければヨメナと判定するのが確実なようです。
花を切断したところ。
冠毛が目立ちません。
舌状花がほとんど散った花。
管状花から花柱が飛び出しています。
咲き始めの管状花。
合着して筒状になった雄しべから花粉があふれ出しています。
花粉を出し切った後の管状花。
花柱がのびて先が2つに割れています。
「葉は互生し,皮針形であらいきょ歯が目立ち,ざらつかず,質はやや薄い」
『牧野新日本植物図鑑』(1961年)には,ヨメナについて次のように書いてありました。
2482.よめな(はぎな 〔きく科〕
Aster Yomena Makino
(= Kalimeris Yomena Kitam.)
各地の耕作地帯の多少湿気がある所にふつうな多年草で,したがって田のへりなどに多く,地下茎をひいて繁殖する。茎は芽立ちでは赤味が強いが,のびると高さ30~100cm,緑色で多少紫色をおび,ほとんどざらつかない。葉は互生し,皮針形であらいきょ歯が目立ち,ざらつかず,質はやや薄い。下部の葉では3本の脈がやや認められる。秋に枝上部でやや鋭角に分枝する細い花茎の先に径2.5cmほどの紫色の頭花が1個着く。舌状花は紫色だが中心の管状花は黄色。そう果は長さ約2.5mmで冠毛は非常に短かい。春に若芽をつんで食用にする。細胞学的に雑種起源という。 (オオユウガギクの条下参照)九州南部から支那,インドにわたって分布するコヨメナ(A. indica L.)は冠毛がとくに短かく,そう果も長さ2mmほど,葉に短毛を散生し,茎は低い。 〔日本名〕嫁菜は若芽を,食用とするこの類中で最も美味でしかもやさしく美しいからであり,ムコナ(シラヤマギク)に対してついた名,古名のオハギナは一説に恐らく緒剥菜で若芽をつむ頃に古茎が立ちしかも皮が細くはげているからであろうという。ハギナはそれの略。 〔漢名〕?兒腸,馬蘭は狭義にとればコヨメナにあてた方がよい。