キンモクセイの花がよい香りを漂わせていました。この時季になると,通りすがりの香りに,あたりを見回すことが増えますね。
香りだけでなく,花びらのオレンジ色も心なごみます。この星砂のような形のまま,香りを保ってくれればと思うのですが,ドライフラワーにすると香りはなくなるそうです。
『日本の野生植物』(2016年)には,キンモクセイについて次のように書いてありました。
キンモクセイ f. aurantiacus (Makino) P. D. Green は, 中国原産の常緑小高木で,広く庭に植えられている。 葉は長楕円形, 革質, ほぼ全縁で先のほうにだけわずかに細鋸歯があり, 長さ7-12cm,幅2-4cm。花は強い香気があって10月ごろに開き, 橙黄色で径約5mm, 4裂し, 2個の雄蕊と不完全雌蕊がある。日本ではふつう雄株だけが植栽され、 結実した株はめったに見られない。
葉は幅3-5cm あってやや粗い細鋸歯があり,花が白色のものをギンモクセイ var. fragrans; O. fragrans var.latifolius Makino といい, 広く栽培される。
野生植物でないので,種名としては上がっていませんでした。日本には雄株だけが存在し,昔から挿し木で増やされていたという経緯もあり,植物学上の位置づけはややこしいようです。