水路の内や外に,タネツケバナ類の花が咲いていました。アスファルト舗装された道の端に叢生状に生えていたこのタネツケバナは,隣に生えているオオバタネツケバナと比べると背が低く,葉も小さく,すでに花期も終わりかけています。長角果が上向きにつんつんと伸びています。

ミチタネツケバナ
ミチタネツケバナ[ in南禅寺福地町 on2024/4/2 ]

 地際で分かれて株になっているので特徴が分かりづらいです。周りを見るとぽつりぽつりと単独で生えているものもあり,こちらの方が特徴がよくわかります。根出葉がロゼット状に残っています。

ミチタネツケバナ
ミチタネツケバナ[ in南禅寺福地町 on2024/4/4 ]

 調べると,これは外来種のミチタネツケバナでした。
『日本の野生植物』(2016年)には,ミチタネツケバナについて次のように書いてありました。

 ミチタネツケバナC.hirsutaL.(PL.32)は,1992年に日本新産が報告されたヨーロッパ原産の帰化植物で,現在では小笠原を除き全国的に見られるようになってきている。根出葉が花時にもロゼット状に残り,茎はほとんど無毛で直立し,茎葉が少なく,その小葉は線形で根出葉の小葉とは明らかに形が異なり,花が小さく雄蕊は4個で,果柄は直立する。染色体数2n=16(2倍体)。和名の通り乾いた道ばたの裸地を好み,水没環境では発芽できないために水湿地には見られない。

・根出葉が花時にもロゼット状に残り

ミチタネツケバナ
ミチタネツケバナ

・茎はほとんど無毛で直立

ミチタネツケバナ
ミチタネツケバナ
ミチタネツケバナ(茎)
ミチタネツケバナ(茎)

・茎葉が少なくその小葉は線形で根出葉の小葉とは明らかに形が異なり

ミチタネツケバナ(茎葉)
ミチタネツケバナ(茎葉)
ミチタネツケバナ(根出葉)
ミチタネツケバナ(根出葉)
ミチタネツケバナ(茎葉と根出葉)
ミチタネツケバナ(茎葉と根出葉)

・花が小さく雄蕊は4個

ミチタネツケバナ(花序)
ミチタネツケバナ(花序)
ミチタネツケバナ(花)
ミチタネツケバナ(花)
ミチタネツケバナ(花)
ミチタネツケバナ(花)

・果柄は直立する

ミチタネツケバナ(長角果)
ミチタネツケバナ(長角果)
ミチタネツケバナ(長角果)
ミチタネツケバナ(長角果)