• シジュウカラのヒナ
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ベランダの巣箱に巣作りしていたシジュウカラの雛がかえりました。

3月末から4月5日にかけて9個の卵を産み付け,4月6日から抱卵を開始。
(→「シジュウカラの卵」2010年4月6日
卵が産み付けられた日は異なりますが,全ての卵を産み終えてから抱卵を開始しているので,孵化する時期は同じになります。
卵の中でのヒナの発育は,親鳥から与えられた熱の総量に比例するそうです。

『日本の野鳥 巣と卵図鑑』(1995年)には次のように書いてありました。

抱卵日数は種類によってほぼ一定している。卵の中でのヒナの発育は,親鳥から与えられた熱の総量に比例するので,抱卵期間中に寒い日が続き,親鳥が餌を探す時間が長くなり,巣をあける時間が長いと、孵化までの日数が多くなる。本書で「約14~16日間抱卵する」と幅をもたせて示しているのはこのためだ。また,親鳥がすべての卵を産み終える前に抱卵を始める種類もある。そのような巣では,後から産まれた卵は孵化が遅れ,巣の中には先に孵った大きいヒナと小さなヒナがみられることになる。サギの巣で見られる大小のヒナは,餌の少ない時には小さなヒナが餓死して,大きいヒナだけが生き残り,ヒナの全滅を避けるための適応だと考えられている。

シジュウカラの抱卵日数は約13~14日間なので,4月18日くらいに雛がかえっているはずですが,巣箱の中を確認することができなかったのではっきり分りません。
4月18日に親鳥が餌を運んぶ姿は見ています。

[写真1]は4月20日の巣箱の中の様子です。
親鳥がいない時を見計らって撮影しました。

シジュウカラの生まれたばかりのヒナは丸裸です。
このように丸裸で生まれてくるヒナを晩成性のヒナといいます。
晩成性のヒナは目も開いておらず,歩くことも餌をついばむこともできません。
一方,ひよこのように卵からかえってすぐに歩きはじめ餌をついばむことができるヒナを早成性のヒナといいます。

前書には次のように書いてありました。

生まれてくるヒナには2つのタイプがある。一つはカモ,チドリ,キジ類などのヒナで,ヒナは目が開き,綿羽で全身がおおわれ,歩くことができる。これを早成性のヒナと呼ぶ。一方,孵化したばかりのヒナが,丸はだかで,目も開いておらず,歩くこともできないものを,晩成性のヒナと呼ぶ。
 早成性のヒナをもつ鳥は,地上に巣をつくる種に多く,地上には外敵が多いので,ヒナがすぐに歩いて移動できることは,生存確率が高くなる優れた適応といえる。早成性の鳥は,大きなヒナの方が運動力も大きいので,同じ位の大きさの晩成性の鳥の卵よりもずっと大きな卵を産む。そのため抱卵日数もいく分か長くなる。早成性のヒナには親鳥から給餌を受けるものと,親鳥に教えられて自分で餌をついばむものとがあるが,飛べるようになるまでは日数がかかる。晩成性のヒナは,親鳥からの給餌を受け,羽もはえ揃って飛べるようになるまで巣に留るが,早成性のヒナよりも早く飛べるようになる。

シジュウカラのヒナ(2)へ続く