ウメとサクラ,五弁の白い花びらにほのかに紅みがさす花,群れ咲く様子はよく似ています。
ウメとサクラの花は,どこが違うのでしょうか。

大きな違いは長い花柄があるかないかです。
サクラの花には長い花柄があり垂れ下がるように咲くのに対して,ウメの花は花柄がなく枝にくっつくようにして咲いています。→2010年2月24日

花そのものの形にはどんな違いがあるのでしょうか。
どちらの花も昔から日本人に親しまれてきた花で,様々な紋様として描かれています。
家紋としてもよく用いられているので,家紋図鑑で調べてみました。

ウメの代表的な家紋
梅の家紋

サクラの代表的な家紋
桜の家紋

見比べると,ウメの花びらの先端は丸く描かれ,サクラの花びらの先端には凹みが描かれています。
実際の花はどうでしょうか。
[写真1]~[写真6]は,ウメとサクラ(ソメイヨシノ)の花を比較したもの。
[写真5][写真6]は,雌しべ,雄しべを取り除いて,花びらだけにしたものです。

実物も確かに,ウメの花弁は先が丸く,サクラの花弁には切れ込みが入っています。
どちらにもたくさんの品種がありますが,植物図鑑をめくって調べた限りでは,花びらの先が丸いか凹みがあるかが最大公約数的な違いのようです。

現代のサクラの紋様といえば,大高猛氏がデザインした1970年大阪万博のシンボルマークが有名です。
大阪万博シンボルマーク

このデザインも花びらの先を丸くすると,ウメの花になってしまいますね。
ウメのマーク