• コオニヤンマ
    »»拡大

    [写真1]コオニヤンマの羽化殻(♂)
  • コオニヤンマ
    »»拡大

    [写真2]コオニヤンマの羽化殻(♀)
  • コオニヤンマ
    »»拡大

    [写真3]♀(原産卵弁有り)
  • コオニヤンマ
    »»拡大

    [写真4]♂(原産卵弁無し)
  • コオニヤンマ
    »»拡大

    [写真5]♂(原副性器有り)
  • コオニヤンマ
    »»拡大

    [写真6]♀(原副性器無し)
  • コオニヤンマ
    »»拡大

    [写真7]羽化直前のヤゴ(♀)
  • コオニヤンマ
    »»拡大

    [写真8]♂♀の割合

毎朝,岡崎疏水の石垣の前を通るたびに,コオニヤンマの羽化殻を集めています。
6月6日に最初の11個を採取して,それから毎日1~3個ずつ,6月18日までの間に全部で30個になりました。

羽化殻の♂♀の比率が知りたくて,ヤゴの性別を知る方法を調べたところ,ミナミヤンマ・クラブ『近畿のトンボ図鑑 』(2009年)に次のように書いてありました。

幼虫で♂と♀を見分けるには,成虫になった時に産卵管や産卵弁になる部分があるかないかを見る。均翅亜目,ムカシトンボ,ムカシヤンマ, ヤンマ科では,この原産卵管がはっきりしているので,これがあれば♀である。また,均翅亜目の♂では腹部第9節に生殖器になる小さい突起がある。サナエトンボ科の♀には小さいが原産卵弁がある。エゾトンボ科ではトラフトンボ以外原産卵弁は見えず,トンボ科も原産卵弁は見えない。 しかし, ♂には成虫になった時,副性器になる部分が腹部第2, 3節腹側中央に見える。♀にはこれがない。エゾトンボ科やトンボ科,原産卵弁の有無が確認しにくいサナエトンボ科ではここで見分けるとよいが,斜め横から透かして見ないと分からないようなものも多い。

これによると,♀には「原産卵弁」があり,♂には「原副性器」があるとのことです。
「原産卵弁」とは羽化して成虫になった時に産卵弁になる部分です。
つまりこれがあれば♀ということになります。
「原副性器」とは副性器になる部分なので,これがあれば♂ということになります。
(両方があれば,性モザイクで大発見ということになるのでしょうか。近刊の小説「シンクロシティ」では,ハッチョウトンボの性モザイクが重要なファクターとして登場していました。)

[写真3]は,羽化殻にあった原産卵弁の痕。
[写真4]の個体には,原産卵弁の痕がありません。

[写真5]は,羽化殻にあった原副性器の痕。
[写真6]の個体には,原副性器の痕がありません。

[写真8]は,羽化殻30個を♂♀に分けたもの。
♂が6個なのに対して,♀は24個。
♂♀の比率は1:4と,♀が圧倒的に多数でした。