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[写真1]2015/2/19(京都市南区)
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[写真2]
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[写真7]
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[写真8]
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[写真9]
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[写真10]のどちんこ(前胸腹突起)
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[写真11]
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[写真12]
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[写真13]
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[写真14]
建物の外壁にバッタがとまっていました。
冬にバッタの成虫を見るのは初めてです。
このバッタは,成虫で越冬する種類のようです。
調べてみると,ツチイナゴでした。
九州以北にいるバッタのうち,成虫で越冬するのはツチイナゴだけだそうです。
日本直翅類学会編『バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑』 (2006年)には,次のように書いてありました。
中秋以降成虫になり,そのまま冬を越す。九州以北に分布するバッタでは,唯一,成虫越冬する種。草原でクズなどが繁茂して地表に光が射し込まないような環境を好む。イネ科植物よりクズを好んで食する。場合によってはイネ科植物も食べる。
形態については,次のように書いてあります。
体長(翅端まで)♂ 50~55mm,♀ 50~70mm
タイワンツチイナゴに似るが,前胸背板後縁が黄色くなく,胸部腹面に体毛が多く,後翅基半部があざやかな赤紫色ではないことで識別できる。南西諸島の個体は大型で,一見タイワンツチイナゴと識別できない。顔面に複眼を通る縦の黒筋があり涙を流したように見える。全体に眼の縞が不鮮明で,体は綿毛に覆われる。後翅は通常ピンク色だが,かなり赤い個体もある。
「体長(翅端まで)♂ 50~55mm,♀ 50~70mm」となっていますが,この個体(♂)の体長は40mm。[写真2]
かなり小さいですね。
ひょっとしたら別の種かもとも疑りましたが,別の図鑑には体長「38~50mm」とあり,大きさにはかなりバラつきがあるようです。
北隆館『新訂 原色昆虫大図鑑』(2008年)
体長(翅端まで) 38~50mm。本種はほぼ赤褐色であるが,白い細毛で被われる。頭頂から,両前翅の接着部にかけて,正中線上に顕著な太い黄白線を有するが,濃淡は個体変異が著しく,個体によっては淡褐色であまりはっきりしない。本州(関東以南)・四国・九州・対馬・沖縄;台湾・中国・北インド等に産する。
前書『バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑』に検索表が載っていたので,順にたどって確認してみました。
・体長6mm以上[写真2]
……6mm以下はアリツカコオロギ科,ノミバッタ科。
↓
・前肢は特殊化していない。産卵器が見える。ビロード状の毛に覆われていない。
……前肢が特殊化しているのはコオロギ科ケラ科。
↓
・触角は30節以下[写真6]。耳をもつ場合は腹部第1節に存在する。胸部腹板は癒着する[写真7]。産卵器は4弁で構成される。
……バッタ亜目(触角が30節以上の長いものはコオロギ亜目)。
↓
・爪間盤がある[写真8]。ただし,一部退化するものもある。前胸背版は伸長しない。ふ節は3節[写真8]。
……バッタ上科(該当しないものはヒシバッタ上科)
↓
・のどちんこ(前胸腹突起)がある[写真10]。
……オンブバッタ科・バッタ科アカアシホソバッタ亜科・フキバッタ亜科・ツチイナゴ亜科・イナゴ亜科・セグロイナゴ亜科・ショウリョウバッタ亜科・ショウリョウバッタモドキ属
↓
・頭は尖っていない。のどちんこ(前胸腹突起)は砲弾型[写真10]。
……イナゴ類(バッタ科アカアシホソバッタ亜科・フキバッタ亜科・ツチイナゴ亜科・イナゴ亜科・セグロイナゴ亜科)
↓
・後脛節背面両側の不動棘は外側末端にはない[写真11]。ただし,腹面から関節する疎はある。後肢の膝下片は丸い[写真12]。
……該当しないものはイナゴ亜科
↓
・後腿節背縁は鋸歯状[写真9]。
……後腿節背縁が平滑ならフキバッタ亜科。
↓
・顔の眼の下に黒縦条がある[写真4]。中胸腹板の左右の側片は縦長[写真7]。
……ツチイナゴ亜科