町内の道に,ヘビが死んでいました。[写真1]
車にひかれたようです。
裏返して背の模様を見ると,シロマダラでした。[写真2]

10年前にも,近くの路上にシロマダラが死んでいました。[写真5]
4年前には,これもすぐ近くの石垣に,抜け殻が引っかかっていました。[写真6](→2011年6月12日
生きているシロマダラは見たことがないのですが,このあたりにシロマダラが生息しているのは間違いないようです。

山渓ハンディ図鑑10『日本のカメ・トカゲ・ヘビ』(2007年)には,シロマダラについて,次のように書いてありました。

山地から平地までさまざまな環境に生息している。夜行性で,日中は石の間などに隠れていることが多い上,体も小さいため人目につきにくい。数も少ないといわれるが,場所によってはそれほどまれではない。

体型は細身。瞳は縦に長い楕円であるが,虹彩全体が黒っぽいためわかりにくい。背面の地色は灰色,もしくはごく薄い茶色で,黒または濃いメタリックブルーの横帯が入る。幼体は斑紋のコントラストがより鮮やか。特に後頭部の白い部分が目立つが,この部分は成長すると消失する。

幼体は「特に後頭部の白い部分が目立つ」とあります。
この個体も後頭部が白く[写真3],体長も20cmほどと,まだ幼い個体だったようです。

シロマダラはいまだに珍蛇扱いされていて,「発見」や「捕獲」されると新聞記事になります。
ネットで検索してみると,最近の記事だけでも,9月5日に下野新聞に,9月7日に山形新聞に,6月11日に日高新報に,京都新聞にも4か月前に「捕獲」の記事が載っていました。

京都新聞(2015年05月14日ネットニュース)

珍しいヘビ・シロマダラ、小学生が捕獲 京都府の要注目種
 京都府のレッドデータブックで「要注目種」に指定されているヘビ「シロマダラ」を,南丹市美山町の小学生きょうだいがこのほど自宅前で捕獲した。「珍しいヘビが家の前にいるなんて,すごいと思った」と驚いている。

 爬虫(はちゅう)類に詳しく,府のレッドデータブックの選定にかかわる松井正文元京都大教授は「模様がはっきりしておりシロマダラに間違いない。個体数は少なくないが,夜行性のため見つけにくい。報道などで有名になり近年発見例が増えている」と説明する。

記事中にあるように,シロマダラの個体数はそれほど少ないわけではなく,夜行性のために人の目につきにくくというだけなのかもしれません。

新聞の地域版では,「珍しい生物」を捕獲したという記事がたまに載ります。
シロマダラとかタカチホヘビ(→2012年10月16日)などが定番ですが,以前,京都新聞に珍しい毛の生えたカタツムリが捕獲されたという記事が載っていました。
写真を見ると,普通種のオオケマイマイでした。
こういう記事を書くと,あとから恥ずかしいでしょうね。