ホトケノザの過去記事を一つにまとめました。
2024年3月19日
石垣の隙間から伸びたホトケノザに,花が咲いていました。
オドリコソウと同じ仲間で,唇形の花がよく似ています。特にヒメオドリコソウとは同じ紫色の小さな花でよく似ています。同じような姿形ですが,かたや踊子に例えられ,かたや仏様に例えられるとは。
たまたま石垣の隙間に種が飛んできたのだろうと思っていましたが,そうではないようです。ヒメオドリコソウの種子はエライオソームが付着する典型的なアリ散布植物だそうです。アリが石垣の隙間にある巣まで種子を運んでいたのです。
アリはホトケノザの種子を巣まで運び,栄養分に富むエライオソームを幼虫に与えます。幼虫がエライオソームを食べた後,アリは種子をアリのフンや死骸の栄養分が豊富な廃棄物処理場に運び,そこで発芽します。(エライオソーム(Elaiosomes)とは古代ギリシア語で 「”oil” + “body”」の意味だとか。)
そう思って石垣を見ると,細い隙間にいくつもホトケノザが生えています。風に飛ばされた種がたまたま引っかかったとは思えないですね。
ホトケノザは,普通に咲いて他家受粉をおこなう解放花と,咲かずに自家受粉を行う閉鎖花を同時につけます。開放花の種子は閉鎖花の種子より大きく,エライオソームの量も多いそうです。これはアリが好むエライオソームの量を加減することにより,自殖種子は親元近くへ,他殖種子は親元から離れた環境へ散布されるようにコントロールしていると考えられています。(→開放花・閉鎖花を同時につけるホトケノザ種子の表面成分とアリによる種子散布行動)
『日本の野生植物』(2016年)には,ホトケノザについて次のように書いてありました。
ホトケノザ
Lamium amplexicaule L.
畑や道ばたにふつうに見られる越年草。茎は直立または斜上して基部で分枝し,高さ10-30cm,葉は下部のものは長い柄があり,茎の中部以上のものは無柄で扇状円形,円い鋸歯があり,長さ幅ともに1-2.5cm。萼は長さ約5mm,毛が多い。 花期は3-6月だが,他の時期にも閉鎖花を多くつける。花冠は細長い筒があり,長さ14-20mm,紅紫色で,上唇は特に色が濃い。分果は約2mm,3稜形で背面は円く,全体に白斑がある。
〈春の七草〉の〈ホトケノザ〉はキク科のコオニタビラコであって、本種とは別のものである。
・葉は茎の中部以上のものは無柄で扇状円形,円い鋸歯があり,長さ幅ともに1-2.5cm
・萼は長さ約5mm,毛が多い。
・花冠は細長い筒があり,長さ14-20mm,紅紫色で,上唇は特に色が濃い。
雄蕊は4個で下の対が長く,柱頭は2裂しています。
2023年3月23日
歩道脇のすき間から伸びた細長い茎の先に,紅紫色の花が咲いていました。ホトケノザです。「仏の座」とはよく付けた名で,鉢状の葉の上に唇形花が咲いている様子は,蓮華座に仏様が立っているように見えます。
『牧野新日本植物図鑑』(1961年)にはホトケノザについて次のように書いてありました。
2112. ほとけのざ(さんがいぐさ,ほとけのつづれ,かすみそう) 〔しそ科〕
Lamium amplexicaule L.
アジア,ヨーロッパ,北アフリカに広く分布し,畑のあぜや道はたに普通にみられる1~2年生の小形の草である。茎は細く四角形で下部で多数枝分れしてむらがり,高さ10~30cmとなる。葉は対生し,上部のものは半円形で柄がなく長さ幅ともに1~2.5cm,下部のものは円形で長い柄があり,長さ幅ともに1~2cm,ふちには鈍きょ歯がある。 4~5月頃,上部の葉のわきに紅紫色の小さい唇形花を数個密に輪生する。がくは長さ約5mm,毛が多く5裂し,花冠は長さ17~20mm,筒部は細長く下層は3裂する。閉鎖花をつけることが多い。春の七草のホトケノザはキク科のタビラコのことであってこの植物ではない。 〔漢名〕寶蓋草。
・「茎は細く四角形」
・「葉は対生し,上部のものは半円形で柄がなく長さ幅ともに1~2.5cm」
・「 4~5月頃,上部の葉のわきに紅紫色の小さい唇形花を数個密に輪生する」
・「がくは長さ約5mm,毛が多く5裂」
・「花冠は長さ17~20mm,筒部は細長く下層は3裂する」
2022年3月17日
ホトケノザに花が咲いていました。
2007年3月30日
ホトケノザの花が咲いていました。 「仏の座」という名前は,茎の周りを囲む葉を蓮華座に見立てたものです。葉が段々に付くので「三階草」の別名もあります。確かに最上階(?)の葉の形は,蓮華座に似ています。蓮華座とは,仏像を安置する台座のことで,蓮の花をかたどってあります。葉の形が蓮華座に似ているだけでなく,その上に咲く花は,まさに仏様がたっているようです。
春の七草の一つにホトケノザという草がありますが,それは本種ではなく,キク科のコオニタビラコのことです。昔は,コオニタビラコのことをホトケノザと呼んでいたらしいのですが,私としては「仏の座」の名前にふさわしいのは,やはり本種ではないかと思います。
2007年1月25日
ヒメオドリコソウの花がもう開きかけていると思って撮ったのですが,よく見るとホトケノザのような気もします。この株だけに赤い蕾がついていました。近いうちにもう一度確認したいと
2006年3月24日
ホトケノザ。 ありふれた,雑草といわれる部類の植物ですが,「仏の座」という名前を知ると簡単に抜き取りがたい気がします。別名を「三階草」といいます。花が層をなして咲く様子を,3階建てに見立てたものです。
2004年3月27日
ホトケノザ。名前は,茎を包み込む葉を,仏の蓮華座にみたてたもの。春の七草にあるホトケノザとは別ものです。昔のホトケノザは,今のタビラコのこと。本種は食べられません。