ツクシの過去記事を一つにまとめました。
2024年3月28日
ツクシが出ていました。今年は芽生えが少し遅いような気がします(気づくのが遅れただけかもしれませんが)。
暖冬でサクラの開花も早いだろうといわれていたのに,サクラはまだ咲いていません。
2023年3月17日
春めいた日が続き,ぽつぽつとツクシが出ていました。以前に,ツクシが図鑑に載っていなくてどうしてだと戸惑ったことがあります。ツクシは誰でも知っている植物なので,植物図鑑をひけば当然載っているものだと思っていたのですが。ツクシはスギナの生殖用の茎に過ぎないので,植物名としてはスギナで引かなければならないのでした。
『牧野新日本植物図鑑』(1970年)には,スギナについて次のように書いてありました。
23.すぎな 〔とくさ科〕
Equisetum arvense L.
至る所の原野,道端等にはえる多年生草本。地下茎は長く地中を横走して暗褐色をなし,節から地上茎を出す。また節部に細かい毛のある小塊ができる。地上茎には栄養茎と胞子茎の2型がある。栄養茎は高さ約30~40cm。緑色中空の円柱状で,縦に隆起した線がとおり,節部から多くの枝を輪生状に密生し,節には退化縮小した舌状葉がさや状にゆ着してつく。輪生している小枝は四角柱状で節に先端が4裂するさや状の葉をもつ。春早く地下茎から,胞子茎(つくし)を出し,これは淡褐色の平滑で軟かい円柱茎で,高さ10~25cm。先が歯片状に裂けたさや状に退化した葉を節から生じ,小枝ははえない。茎頂に長楕円体の胞子穂をつけ,たて状六角形の胞子葉を密生し,胞子葉の下面に数個の胞子嚢をつけ,中に淡緑色の胞子を生ずる。胞子には4本の弾絲がついており,湿めれば,巻き,乾けばほどける運動をする。夏に栄養茎の頂部に胞子穂をつけることがあり,これをミモチスギナというが特定の品種ではない。小枝が三角柱状のものをオクエゾスギナ(var. boreale Rupr.)といい,北海道,本州北部の山地に多く知られる。昔からツクシを土筆と書くのは日本名であり,支那では筆頭菜という。ツクシを食用とするし,スギナの若葉も食べられる。スギナ(杉菜)とはその形状が杉に似ていることによる。〔漢名〕問荊。
まだ胞子を出していないツクシの頭を切ってみると,胞子嚢に抹茶のような緑色をした胞子がいっぱいつまっています。
胞子を出しているツクシの断面を見ると,胞子嚢が破れて胞子が放出されているのがわかります。
2012年3月30日
ツクシが出ていました。
タンポポやレンゲの花と同じように子どもの頃の記憶と結びつき,郷愁を誘います。
たくさん生えているのを見ると,つい摘み取りたくなってしまいます。
ツクシは誰もが知っているなじみ深い植物ですが,生態については意外に知られていないように思います。
花が咲いて実がなる種子植物と違って,花を咲かせずに胞子で増えるシダ植物なので,なんとなくよくわからない感じがするのでしょうか。(私もですが……)
「つくしだれの子 すぎなの子 土手の土そっとあげ つくしの坊やが のぞいたら 外はそよ風 春の風」という詩にあるように,ツクシとスギナは同じ植物です。
ツクシは,トクサ科のシダ植物スギナが胞子を生産し放出させるために,春の一時期に成長させる茎(胞子茎)に過ぎません。
なので植物図鑑には「ツクシ」の項目はなく,「スギナ」で引かなければなりません。
ちなみに上記の詩の出典について,国会図書館のレファレンス回答に次のようにありました。
佐久間圭作編著『愛誦・小学校の詩歌』(新風書房)の32pに、「ツクシ」という題で、「ポカポカト/アッタカイ日ニ/ツクシノバウヤハ/目ガサメタ/ツクシダレノコ/…」で始まり、質問のテキストにつながる詩の全文がある。「昭和8年7月 第四期・小学国語読本 巻二(一学年)」および「昭和16年2月 第五期・ヨミカタ二(一学年)」に掲載されたことがわかる。
『牧野新日本植物図鑑』(1970年)には,スギナについて次のように書いてありました。
至る所の原野,道端等にはえる多年生草本。地下茎は長く地中を横走して暗褐色をなし,節から地上茎を出す。また節部に細かい毛のある小塊ができる。地上茎には栄養茎と胞子茎の2型がある。栄養茎は高さ約30~40cm。緑色中空の円柱状で,縦に隆起した線がとおり,節部から多くの枝を輪生状に密生し,節には退化縮小した舌状葉がさや状にゆ着してつく。輪生している小枝は四角柱状で節に先端が4裂するさや状の葉をもつ。春早く地下茎から,胞子茎(つくし)を出し,これは淡褐色の平滑で軟かい円柱茎で,高さ10~25cm。先が歯片状に裂けたさや状に退化した葉を節から生じ,小枝ははえない。茎頂に長楕円体の胞子穂をつけ,たて状六角形の胞子葉を密生し,胞子葉の下面に数個の胞子嚢をつけ,中に淡緑色の胞子を生ずる。胞子には4本の弾絲がついており,湿めれば,巻き,乾けばほどける運動をする。夏に栄養茎の頂部に胞子穂をつけることがあり,これをミモチスギナというが特定の品種ではない。小枝が三角柱状のものをオクエゾスギナ(var. boreale Rupr.)といい,北海道,本州北部の山地に多く知られる。昔からツクシを土筆と書くのは日本名であり,支那では筆頭菜という。ツクシを食用とするし,スギナの若葉も食べられる。スギナ(杉菜)とはその形状が杉に似ていることによる。
[写真2]は,スギナの地下茎を掘り出したところ。
胞子茎であるツクシと,栄養茎であるスギナは,地下茎でつながっているのがわかります。
先に胞子茎が成長して,その後から栄養茎が出てくるので,スギナはまだ小さいです。
[写真3]は,若い胞子茎を縦に切断したところ。
カメの甲羅のような六角形をした胞子嚢床(ほうしのうしょう)の内側には胞子が詰まった袋(胞子嚢)がついています。
中には抹茶のような緑色をした胞子が詰まっています。
[写真5]は,胞子茎を輪切りにしたところ。
胞子嚢から胞子がこぼれ落ちています。
[写真4]は,成熟した胞子茎を縦に切断したところ。
胞子嚢床の間にはすき間があり,胞子はほとんど放出しつくされています。
[写真6]は,胞子の顕微鏡写真。
左側が乾燥した状態。
右側は息を吹きかけ湿らせた状態。
球体の胞子には,4本の弾糸(だんし)と呼ばれるひも状のものがくっついています。
弾糸は乾燥している状態では伸びていますが,息を吹きかけ湿らせると胞子の周りにくるくると巻き付きます。
そのまましばらくすると,ゆっくりとほどけて元の状態に戻りました。
2020年4月4日
(20)ツクシが出ていました。(南禅寺参道)
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[写真20]ツクシ
2019年3月23日
(38)ツクシが出ていた。(南禅寺)
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[写真38]ツクシ
2018年3月17日
・南禅寺参道にツクシが出ていた。(南禅寺)
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[写真21]ツクシ
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2006年3月12日
ツクシが出ていました。 ツクシはスギナの胞子体です。胞子で増えることから分かるように,スギナはシダ植物です。
1週間ほど前からウグイスが鳴いています。声はすれど姿は見えず。枝に隠れて,動いているのは分かるのですが,まだ写真に撮ったことがありません。
2005年3月30日
ツクシ。六角形の胞子葉が開いて,胞子ぶくろが見えています。一つ一つの形を見ると,小さなキノコのようにも見えます。傘の下に胞子嚢があって,胞子嚢から胞子を飛ばして繁殖する。ツクシの胞子には雄雌の区別があるそうです。胞子が発芽した雄雌の原葉体が受精し,芽が伸びスギナとなります。
2004年3月9日
ツクシが生えていました。ツクシはスギナの胞子体です。料理に使うときには,頭が開く前の若いものを使います。
2003年3月27日
南禅寺の参道にツクシが出ていました。