• シジュウカラの雛
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前日に親鳥が餌を運び始めていたので,翌朝(5月31日)巣箱をのぞくと,シジュウカラのヒナが黄色い口をあけて元気に鳴いていました。[写真1]
この巣箱では今季2回目の孵化です。

[写真2]は孵化後6日目の6月4日の様子です。
親鳥が頻繁に餌を運び,ヒナは順調に育っています。
まだ眼は開いていませんが,羽根が生え始めています。
巣箱の蓋をあけると,親鳥が来たと思い,黄色い口を精一杯大きく開きます。
この黄色いくちばしの色が,親鳥の給餌行動を引き起こす信号刺激となっているそうです。

7日目の6月5日の朝に巣箱をのぞくと,ヒナが死んだふりをしています。[写真3]
ヒナは孵化後4,5日もすると,無条件にくちばしを開くようなことはしなくなり,巣箱の蓋をあけると身を隠すように体を縮こまらせるようになります。(→2008年6月3日
同じようにこれも身を隠す行動のひとつかなと思ったのです。
蓋があいたとたん,全羽一斉に死んだふりをしたと思ったのです。
青天の日で,明るい朝日が差し込んでいて,死の影などどこにもありませんでした。

しかし翌日見ると,擬死ではなく,本当に全羽死んでいました。[写真4]
写真を見比べると,前日とは体の位置がすこし異なります。
昨日はあれからすこし動いたようです。
親鳥が巣箱のそばで盛んに鳴いています。
時々,まだ餌を運んでいるようです。

ヒナが死んで2日後には,親鳥も寄り付かなくなりました。
[写真5]は9日後の6月14日の様子。
奇跡的に生き返っていたということはありません。

どうして前日まで元気だったヒナたちが,急に全羽死んでしまったのでしょうか。
親鳥の育児放棄ではないので,やはり病気でしょうか。

気になるのは,今回の巣作りの直前に同じ巣箱で別のつがいが子育てをしたことです。
9個の卵を産み,巣立ったヒナは8羽でした。(→2010年5月7日
1羽は孵化はしたものの,ヒナの段階で死んでいます。
他のヒナたちが巣立ちしたあと,巣のなかに死骸らしきものが残っていました。[写真6]

巣箱を掃除する間もなく,その上に別のつがいが巣作りを始めてしまいました。
これがいけなかったのでしょうか。
前のヒナの死因となった病原菌が残っていて,孵化したヒナに感染,7日後に一斉に発症,全羽を死に至らしめた,というのが素人考えです。

巣箱はシーズンが終わったらきれいに掃除して消毒しなければならない,とどこかに書いてありましたが,こういうことがあるからなのですね。
ヘビなどの外敵も怖いですが,目にみえない病原菌というのも怖いです。
合掌。