今朝,見かけた鳥3種。
ルリビタキ(♀),シロハラ,イカル。

ルリビタキは,オスとメスで体色が異なります。
オスは名前のとおり瑠璃色(青色)をしていますが,メスはオリーブ褐色の落ち着いた色をしています。
尾羽だけはオスと同じように瑠璃色をいているのが,おしゃれですね。
脇羽が橙色をしていて,よく似ているジョウビタキのメスとの識別点になります。[写真1]

町内でよく見かける鳥なのですが,いつも地味な色をしたメスばかりで,オスは見たことがありません。
今までに書いたルリビタキの記事を見返しても,メスばかりです。
2014/3/13   →2013/3/31   →2008/2/26
ところが,若いオスはメスと同じような体色をしているとか。
今までメスと思っていた個体も,若いオスだった可能性があります。

河合敏雄著『京都の野鳥図鑑』(1991年)には,ルリビタキについて次のように書いてありました。

 夏期,アムール川やウスリー川流域で子育てするようですが,北海道東部や本州の亜高山針葉樹林でも営巣します。京都へは10月下旬以降,各地の山麓へ来る漂鳥です。
 体長15cmぐらいで雌雄異色。雄は頭頂から背,尾先にいたるまで上面はその名の通り,美しい瑠璃色です。上嘴の生えぎわ付近に白斑があり,喉から下尾筒まで白色。脇羽は雌雄共に橙色です。雌の上面はオリーブ褐色で地味です。薄暗い林地を好み,地上付近で単独生括をし,特定の下枝や根株の突出部を止まる場所に決めています。ときどき,尾羽方をフラッシュさせ低い声でクヮクヮと鳴き,昆虫やクモを見つけると素早く捕えて元の場所へ戻ります。ウルシやヒサカキの実も好食します。

・京都へは10月下旬以降,各地の山麓へ来る漂鳥
「漂鳥」とは国内で短い渡りをする鳥のことで,京都へは10下旬以降に姿を現し,暖かくなると姿を消すようです。

シロハラもよく見る鳥です。
2010/3/26   →2010/3/14   →2006/4/19
同書には,シロハラについて次のように書いてありました。

 体長約24cm,ツグミやアカハラぐらいでアカハラの近縁種です。雌雄ほぼ同色で,頭部から尾羽にかけて暗緑褐色。腹面は,その名の通り白っぽい鳥です。眼には黄色のアイリングかあるので,よく目立ちます。
 里山のよく茂った林や山麓にある神社仏閣,庭園などの暗い茂みの地上を好み,単独で地表の落葉を嘴で次々とひっ繰り返してミミズや昆虫を捕食するので,「木葉返し」「ごみ掻き」「芝掘りツグミ」「薮シナイ」などと呼ばれています。何か異常を感じるとクワックワッ,グジュグジクヮと警戒声を発し,尾羽の外側にある白羽をちらつかせて低く飛び去ります。ウスリ川流域の森林で繁殖し,マミチャジナイに続いて9月下旬に飛来する冬鳥です。

・眼には黄色のアイリングかある
[写真3]を見ると,確かに眼の周りに黄色の輪があります。

イカルもよく見かける鳥で,過去の記事を見返してもたくさん出てきます。
冬の間は自然観察の話のタネがなくて,ついイカルを取り上げてしまいます。
2014/4/3   →2009/1/27   →2008/3/15   →2008/3/12   →2007/2/7
2006/12/19   →2006/2/5   →2005/4/21   →2005/2/9   →2005/1/6
同書には,イカルについて次のように書いてありました。

 春とは名のみ,吹く風がまだ寒い日にエノキやイチョウなど高木の梢から「キーコーキー,お菊二十四,月星ヒー……」と,澄んだ明るい声でよく鳴くので三光鳥と呼ぶ人もあります。
 本州北部や北海道,東アジア東部が繁殖地で,冬期には暖地へ移動する漂烏です。ムクドリぐらいで尾羽が長め。嘴はブンチョウ型で太短く,大型で黄色いのが特徴です。背面や下面は明るい灰色で,頭頂部や眼,嘴の周囲,翼や尾羽は光沢のある藍黒色です。初列風切羽に白斑があるので枝上や飛翔時によく目立ちます。ときどき,キョッキョッと鳴きながら波状に飛びます。エノキやムクなどの実をくわえて外皮を除くために巧みにくるくる回すので「豆回し」とか,「豆どり」と呼んでいます。

・頭頂部や眼,嘴の周囲,翼や尾羽は光沢のある藍黒色
頭部の藍黒色と嘴の黄色の対比が,独特の風貌を作っています。

3種はいずれも漂鳥や冬鳥で,京都では冬の間だけ見られる鳥です。
冬は落葉樹の葉が落ちて鳥の姿を見つけやすいということもあると思うのですが,それだけではなく実際に活動している種類数も,京都では夏よりも冬の方が多いような気がします。