2023年8月31日

ヤマガラが地面のマツボックリをつついていました。鱗片の間にある種を探しているようです。

ヤマガラは人懐っこい鳥といわれています。確かに,こちらに気づいているはずなのに,すぐには逃げようとしませんでした。

ヤマガラ
ヤマガラ[ in南禅寺福地町 on2023/8/29 ]
ヤマガラ
ヤマガラ[ in南禅寺福地町 on2023/8/29 ]
ヤマガラ
ヤマガラ[ in南禅寺福地町 on2023/8/29 ]

2022年7月27日

ヤマガラにしては色調がはっきりしません。特徴である腹部の褐色も薄く,頭部も薄汚れた感じに見えます。今年巣立った幼鳥が換羽している途中なのでしょうか。

ヤマガラ
ヤマガラ(at南禅寺福地町)

2022年2月22日

大きなケヤキの木にとまった小鳥たちが動き回っていました。ヤマガラ,コゲラ,ヒヨドリ,イカル。葉の落ちた今の時期は鳥たちがよく見えます。


2019年4月12日

青虫をくわえたヤマガラ。子育て中のようだ。(南禅寺)


2014年3月29日

巣箱の上で,ヤマガラのオスが一生懸命さえずっていました。
まわりに必死に訴えかけるようにせわしなく向きを変えては,声を張り上げています。
2時間前にはシジュウカラも下見に来ていました。[写真6]
さてどちらが巣作りするのでしょうか。

この巣箱には,今までにシジュウカラが4回,ヤマガラが1回巣作りしています。
2012年 ヤマガラ(→2012年3月21日
2010年 シジュウカラ(2回)(→2010年4月6日)(→2010年5月19日
2008年 シジュウカラ(→2008年6月3日
1998年 シジュウカラ

ヤマガラのさえずりは,縄張りを主張しているのか,メスを呼びこんでいるのか,どちらなのでしょうか。
清棲幸保著『野鳥の事典』(1994年)には,鳥のさえずりについて次のように書いてありました。

鳥の囀(さえず)りは領域(テリトリー)を公に知らせるためで,いいかえれば雄が同じ種煩の雄に対して領域にはいるなと告げる叫びでもある。領域の広さは鳥の種類によって異なるが,他の別種に対しては領域は何んらの関係もなく互いに無関心である。そのうえ配偶者のきまらない雄では雌に対して自分が雄であることを囀りで知らせる叫びでもある。囀りは近くに雄がいたり雄の数が多かったりするとひん繁になりまた領域の争いもはげしくなるのが常である。目に見えない領域の境界線内に他の雄が浸入するとはげしい争いとなるが,普通は囀りだけで相手を追いはらうのに充分である。領域内に2~3ヵ所の囀り場所を定めているのが常である。抱卵や育雛期には雄の囀り声は抱卵や育雛中の雌にある安心感を与えてもいるらしく,囀り声がと絶えると雌は早くも頭部を立てて警戒の体制にいることが多い。囀りは領域の宣言が第1だが営巣・抱卵・育雛中にも囀りつづけて互いの番(つが)いの関係を強める働きをもしている。

縄張りの主張であり,メスを呼んでいるのであり,両方だということのようです。
ただ「他の別種に対しては領域は何んらの関係もなく互いに無関心である」と書いてありますが,この巣箱はシジュウカラもねらっていることからすると,シジュウカラに対しても縄張りを主張しているように思えます。
隠れて上記の写真を撮っている時,ヤマガラがカメラを見つけてこちらに向かってきました。
意外に攻撃性があることから,シジュウカラに対しても縄張りを主張しているのではないかと思った次第です。


2012年11月21日

ベランダの巣箱を下ろして,中を調べてみました。
ヤマガラが巣作りをしている時に,巣箱の中からコツコツという音が聞こえていて,何をしているのか気になっていたのです。(→2012年3月21日
夏の間はダニがいそうで,寒くなるのを待っていました。
来春に向けての,巣箱の清掃・消毒も兼ねています。

床板を削っているのではないかと想像していましたが,床板,側板にはつつかれた痕跡はなく,出入り口の穴のまわりにつついた痕がありました。
[写真4]の左側が使用前,右側が使用後の穴(内側から見たもの)。
出入り口を広げようとしていたようです。
穴の外側にもつつかれた痕がありましたが,結局穴は大きくなっていません。
穴の大きさを測ると,直径28mmでした。

毎年,この巣箱にはシジュウカラが巣作りしてきました。
今年,初めてヤマガラが,それも2つのペアが連続して巣作りしました。
1回目は,3月下旬に巣作りを始め産卵,5月上旬に巣立ちました。(→2012年3月21日2012年4月18日2012年5月4日,)
2回目は,1回目の巣立ち後2,3日してから別の番が巣作りを始め産卵,6月中旬に巣立ちました。(→2012年5月23日2012年6月13日

[写真1]は,巣箱から取り出したヤマガラの巣。
くぼんでいるはずの産座(さんざ)は,巣立ちを控えたヒナたちが踏み荒らして形をなくし,全体が平坦になっています。
土台の蘚苔類の厚みは6cmほどです。[写真2]
シジュウカラの巣と,材料,大きさともほとんど同じです。(→シジュウカラの巣

世界文化社『日本の野鳥 巣と卵図鑑』(1999年)には,ヤマガラの巣について次のように書いてありました。

巣の特徴:キツツキ類の古巣などを利用し,その中に多量の蘚苔類を主材として椀形の巣を作るが,底部には粗いコケを,上部には繊細なコケを使用する。産座にはスギ,ヒノキなどの樹皮を細かく裂いて綿状にしたものを敷きつめる。
大きさ:外径約15×13cm,厚さ約6cm,内径(産座)約6×6cm,深さ約4cm。
似た巣との見分け方:シジュウカラ,ヒガラが対象となるが,ヤマガラは産座の巣材に樹皮を綿状にかみ砕いたものを使用することで区別がつく。

産座は壊れているものの,表面には産座に使われた樹皮が残っていました。[写真3]

清棲幸保著『野鳥の事典』(1994年)には,ヤマガラの巣について次のように書いてあります。

林中の樹洞やキツツキの古巣穴,人家の間隙,人工の巣箱などの中に営巣する。巣の材料がヤマガラとまったく同じなシジュウカラが蘚類を多量に巣箱にはこびこんでまだ産座が完成しないうちに産卵をして卵を蘚の中にうめておくのに反し,ヤマガラは産座が完成してから産卵を始めるのが常である。 4月から7月ごろシジュウカラと同色の卵(18.9×14.4mm)を5~8個ぐらい産卵する。

シジュウカラは「蘚類を多量に巣箱にはこびこんでまだ産座が完成しないうちに産卵をして卵を蘚の中にうめておく」のに対し,ヤマガラは「産座が完成してから産卵を始める」とあります。
確かに,シジュウカラの卵は最初の3~4個までは蘚の中に埋もれていることが多いのに対し,ヤマガラの卵は最初の卵から産座の上にきちんと産み落とされています。
[写真5]は,産座上のヤマガラの卵。
[写真6]は,蘚に隠れているシジュウカラの卵。

巣作りの労力をはぶいてやろうと,親切心で巣をそのままに残しておくと,どういう訳かその巣箱は利用されません。(→2008年6月17日
巣を撤去するだけでなく,雛の病気を防ぐために巣箱の中はきれいに清掃して,日光にあてて消毒した方がよいようです。
以前,シジュウカラの雛8羽が,孵化後7日目に全滅したことがあります。(→2010年6月20日
全滅の原因が病原菌かどうかはわかりませんが,たくましそうに見える野生の生き物も,意外に弱い面があるようです。


2012年6月13日

6月11日の夕方,ベランダの巣箱から6羽のヒナが全て巣立ち,ヤマガラの子育てが無事に終了しました。
巣箱に残っていた古巣を再利用した巣作りだったので,ヒナが無事に育つか心配しました。(→2012年5月23日
元気に育ってくれてよかったです。

5月26日に孵化,6月11日に巣立ちなので,孵化後17日目の巣立ちでした。
ヤマガラのヒナが孵化してから巣立つまでの期間は約12日~17日とされています。
15日目の[写真15]や,16日目の[写真16]は,もう巣立ちできるくらい十分育っているように見えるのですが。


2012年5月23日

5月3日にヤマガラのヒナが巣立ってから2,3日後,待ってたかのように,別の番(つがい)が巣箱に出入りするようになりました。
巣箱の中をのぞくと,産座(うぶざ)の材料にするための,細く引き裂いた樹皮や獣毛(犬の毛?)が運び込まれています。[写真2]
苔の土台は再利用し,ヒナたちのベッドとなる産座だけを新しく作り直すようです。

多くの鳥は古巣を再利用しません。
しかしシジュウカラなど自分で巣穴を掘れない二次樹洞営巣種は,古巣を利用することがよくあるそうです。
古巣の再利用には不吉な前例があります。
以前にシジュウカラが,前の番のヒナが巣立った直後に,古巣を再利用して産卵したことがありました。(→2010年5月19日
その卵は無事に孵化したものの,孵化後7日目に突然全部のヒナが死んでしまったのです。(→2010年6月20日)
病原菌なのか寄生虫なのか,突然全滅した原因がわかりません。
今回は無事に育ってくれるのを祈るばかりです。

最初の産卵は,5月9日でした。[写真3]
その後,毎日1個ずつ産卵し,最終的には5個の卵を産んだようです。
5月13日以降,親鳥が産座に座っているので,卵の数を確認することができません。
(→孵化後,確認したところ6個でした)

鳥は種によって,一つの巣に産みつける卵の数が決まっています。
1回の繁殖で産む卵の数を「一巣卵数」といい,ヤマガラは5~8個です。
前回の産卵数は6個でしたが,今回は5個のようです。
抱卵日数は約14日間なので,5月26日ごろに孵化するのではないかと思います。

小鳥は毎日1個ずつ卵を産みますが,産卵のつど毎回交尾するのかどうか,以前から疑問に思っています。
児童書ですが,PHP研究所『科学のおはなし 鳥・虫・魚のふしぎ』(2009年)に,鳥は受精してから卵を産むまでに,1日程しかかからないと書かれていました。

卵で産むことで鳥の体が軽くなったとはいっても,たくさんの卵が体の中にある間は,空を飛ぶことは難しくなります。しかし,鳥は交尾してから卵を産むまでの時間が短いので,空を飛ぶのに有利にはたらいていると考えられています。では,鳥の体の中で卵はどのようにつくられているのでしょうか?
 まず,めすの卵巣の中でひなの体の元になる卵黄(黄身)がつくられます。その後,「輸卵管」とよばれる管に送られ,ここでおすの精子とであって受精します。受精した卵は,卵白(白身)に包まれながら大きくなり,最後にからに包まれて総排泄孔から,外へと産み出されます。卵黄が卵巣を出てから外に出るまでの時間は,鳥の種類によって異なりますが,およそ一日から一日半しかかかりません。それだけ,短時間で卵を産むことができるのです。

これを読むと,毎朝産卵した後に,翌朝産む卵のために交尾するのかなと思えますが,下の記事を読むと,鳥の精子は雌の体の中で貯蔵されると書いてあります。

広島大学家畜生体機構学研究室『鳥の体あれこれ』

ニワトリやウズラは一度の交配で数日から数週間も受精卵を産みつづけます。これは卵殻腺部と腟部との境界の子宮腟移行部(utero-vaginal junction)と呼ばれる部位に精子貯蔵腺が存在して,精子が長期間生存できるからです.受精は卵管上部である漏斗部で起こります.

結局,ヤマガラが産卵ごとに交尾するのかどうか,わからないままです。


2012年5月4日

ついに,巣立ちの時がやってきました。
その日,巣箱の蓋をあけて中をのぞくと,ヒナたちが1羽もいません。
空っぽです。[写真15]
3月にベランダの巣箱にヤマガラが巣作りを始めて以来,毎朝,脚立を立てて,巣箱の蓋をあけ,なかを撮影するのが日課になっていました。
巣立ちはまだまだ先だと思っていたので,突然空っぽになった巣箱を見たときは,とても意外でした。

ヤマガラのヒナが孵化してから巣立つまでの期間は約12日~17日です。
日にちを数えてみると,ヒナがかえってから既に16日経っており,十分な日が過ぎています。
平和な巣箱の中を離れ,ヒナたちがこれからも無事に生き抜いてくれることを祈るばかりです。

[写真1]~[写真15]に,ヒナの様子をまとめてみました。
以前のエントリー「ヤマガラの卵」では,「今日,4月18日20:40に巣箱の中を確認したところ,親鳥がいました。 ヒナはまだ孵っていないようです。」と書いていますが,翌日の朝見るとヒナがいた[写真1]ので,孵化したのは前日の4月18日のようです。

晩成性であるヤマガラのヒナは,生まれたては丸裸です。
ヒナを寒さから守るため,親鳥は生まれてから1週間ほどは,夜はヒナを抱いて温めなければなりません。
4月18日の夜に親鳥がいたのは,生まれたてのヒナを温めていたからのようです。

晩成性のヒナと,早成性のヒナについて,清棲幸保著『野鳥の事典』(1966年)には次のように書いてありました。

燕雀目の鳥やカワセミ類・カッコウ類・キツツキ類の鳥のようにほとんど赤裸の皮膚のままで孵化する晩成性の雛と,カモ・ガン・キジ・ライチョウなどのように綿羽でおおわれた早成型の雛とがある。雛が卵の殻をやぶって自由になったとき,その雛がすぐ巣を離れる早成性でない晩成性のときには親鳥はその卵殻をくわえて離れたところに運んでいって捨てるのが常である。孵化後ただちに雛が歩き出す早成性のウズラ・ヤマドリ・ライチョウ・カモ類などでは,卵殻はそのまま巣の場所に放置される。晩成性の雛ではロを開閉したり排便するだけであり,小鳥ではほとんど全身が赤裸で毛のような産毛が生えているだけで,体温の調節作用も不完全なので親鳥が少なくも1週間は温める必要がある。このような雛では餌をねだって大口をあける。口中は黄・赤・燈などそれぞれ独とくの鮮明な色をもっていて,親鳥が給餌をするときにこれがよい目標となるのである。雛は親鳥が飛来すると反射的に大口を開けて餌をねだるが,孵化後1週間の間は親鳥の抱温がないと体温が急降下して餌をねだる反応さえなくなるのが常である。

「雛が卵の殻をやぶって自由になったとき」「親鳥はその卵殻をくわえて離れたところに運んでいって捨てるのが常である」と書いてあります。
[写真1]を見ると,確かに卵の殻がどこにも見当たりません。
巣箱の外に運び出したようです。

巣箱の蓋をあけて,初めてヒナがいるのを見つけたとき[写真1],全てのヒナがくたりと動かず,全滅していると思ってしまいました。
死んだヒナをそのままにして親鳥は巣を放棄したのではと。
「孵化後1週間の間は親鳥の抱温がないと体温が急降下して餌をねだる反応さえなくなるのが常である。」そうなので,親鳥が巣を離れ,体温が下がっていたのですね。

[写真2][写真5][写真9][写真10]には,親鳥が写っています。
巣箱の蓋をあけたときに,たまたま親鳥がいたためです。
写真を撮るときには,できるだけ素早く写すようにしていますが,鳥の種類によっては,こんなことをすると,子育てを放棄してしまいます。
シジュウカラやヤマガラは割と平気なようです。
それでもシジュウカラは,蓋をあけて覗くと,尾羽を広げて威嚇してきますが,ヤマガラはきょとんと見上げるだけで,攻撃的なところがありません。

昔から,ヤマガラは人なつこくて芸をする鳥として知られていたようです。
平凡社『世界大百科事典』(2005年)には,ヤマガラについて次のように書いてありました。

人によく慣れるので,古来飼烏とされてきた。反り身になって宙返りする性質があるので,かつては種々の芸を仕込んで見世物とし,金銭を得る者もあった。その演目には,水くみ,宙返り,おみくじ引きなどがある。このように芸を覚える小利口な鳥として知られるので,こざかしいが実際の役には立たない者を評して〈山雀利根やがらりこん〉といったりする。


2012年4月18日

3月21日「ヤマガラの巣作り」の続きです。

3月31日,巣箱をのぞいてみると2個の卵がありました。[写真1]
4月2日,卵は4個に増えていました。[写真2]
普通小鳥は1日に1個ずつ卵を産むので,3月30日に最初の卵を,4月1日に3個目の卵を産んだと推測できます。

4月3日,卵は5個。[写真3]
4月4日,巣箱の蓋をあけると,親鳥が座っていました。すぐに蓋をしめ,卵の数は確認できませんでした。
4月5日,親鳥の姿はなく,産座に6個の卵がありました。[写真4]
昨日は6個目の卵を産んでいる最中だったようです。

まとめると,次のようになります。
・3月30日 1個目産卵
・3月31日 2個目産卵
・4月1日 3個目産卵
・4月2日 4個目産卵
・4月3日 5個目産卵
・4月4日 6個目産卵(抱卵開始?)

鳥は種によって,一つの巣に産みつける卵の数が決まっています。
1回の繁殖で産む卵の数を「一巣卵数」といい,ヤマガラは5~8個です。

「一巣卵数」について,世界文化社『日本の野鳥 巣と卵図鑑』(1999年)には,次のように書いてありました。

鳥の産卵は,巣作りを終えたあとすぐに始まる。小鳥では普通1日1卵ずつ,朝に産む。タカやカモメのような大形の鳥は,卵は1日おきとか数日おきに産む。鳥は種によってほぼ一定の数の卵を産み終えると,抱卵をはじめる。この1回の繁殖で産む卵の数を,”一巣卵数”という。アホウドリやオオミズナギドリの一巣卵数は1卵と決まっており,その卵が壊れてしまっても産み直したりせず,その年は繁殖をしない。キジバトを含むハト類は,一巣卵数が2卵のものが多いが,カラスバトでは1卵である。
 多くの種類では,一巣卵数はある幅の中で一定しており,本書では「卵は4~6個産み」と示してある。一巣卵数は,その親鳥が育てあげることのできる最大数の卵となるよう,長い時間をかけて進化してきた結果である。一巣卵数が鳥の産卵能力の限界を示しているわけではない。鳥は外敵によって卵が食べられてしまった場合,すぐ産み直す種類も多い。

ヤマガラの卵は,長径約l.9cm,短径約1.5cm,白色の地に淡褐色の小斑があります。
シジュウカラの卵によく似ていますね。
シジュウカラの卵は,長径約1.7cm,短径約1.4cm,白色の地に赤褐色の斑があります。
大きさ,形ともほぼ同じですが,シジュウカラの卵の方が,小斑の色がすこし濃いようです。
[写真5]の左側がシジュウカラの卵,右側がヤマガラの卵です。

[写真6]は抱卵中のヤマガラ。
抱卵は雌だけがおこないます。
抱卵期間は約14日間。
4月4日に抱卵を開始していたとすれば,4月18日ごろに孵化する予定です。
今日,4月18日20:40に巣箱の中を確認したところ,親鳥がいました。
雛はまだ孵っていないようです。


2012年3月21日

1週間ほど前から時おり,キツツキのドラミングのような,コツコツという音が聞こえてきます。
何かの鳥が,ベランダに掛けてある巣箱をつついているようです。
巣箱の空洞に響いて,以外に大きな音がします。

この巣箱には,毎年春に,シジュウカラが巣作りします。
カーテンの陰からそっと覗いてみると,シジュウカラではなく,胸のあたりがオレンジ色をした鳥が出入りしていました。
ヤマガラです。
ヤマガラはシジュウカラと並んで,巣箱に巣作りする鳥の代表格です。

しばらくの間,姿を見せたり見せなかったりしていたのですが,ここ2~3日,精力的に苔を運び入れるようになりました。[写真1]
シジュウカラと同じく,巣作りはメスの仕事です。
ヤマガラはオスとメスが同じ体色をしているので雄雌が判然としませんが,苔を運び入れているということはメスなのでしょう。

しばらく見ていると,苔をくわえたメスが巣箱の中に飛び込んだ後に,もう1羽やってきました。[写真3]
近くの電線にとまって,こちらの方をしきりに気にしています。
メスが巣作りしている間,オスはあたりを警戒したり,メスのために餌を運んだりするそうです。
[写真3]をよく見ると,口にくわえているのは何かの幼虫ですね。
オスがメスに与える餌を運んできたようです。

例のコツコツという音は,巣箱の穴をひろげるために周囲を削っている音だろうと思っていましたが,違いました。
ヤマガラが巣箱の中に入ってしばらくしてから,コツコツという音が鳴り出すのです。
シジュウカラは,こんな音をたてることはありませんでした。
巣箱の中で,一体何をしているのでしょうか。

3月21日の夕方に,巣箱の中をのぞいてみました。[写真6]
苔が厚く敷かれ,産座になる中央部が丸くへこんでいます。
まだ苔だけしか敷かれていません。
これから産座部分に獣毛などの柔らかいものが置かれるのだと思います。
巣箱の中を見ても,ヤマガラがどこを削っていたのかわかりません。
それらしき痕跡が残っていないのです,
巣立った後で,じっくりと巣箱の中を観察するしかないようです。

[写真4][写真5]は,苔を運び入れたメスが巣箱から出てくるところです。
周囲を警戒しながら,出るときには一気に,にゅるりといった感じで出てきます。
穴は通り抜けられるギリギリの大きさですね。

巣箱の穴は,大は小を兼ねるで,多少大きめの方が色々な鳥が利用できて良いように思えますが,大きすぎる穴の巣箱は利用しないそうです。
穴の大きさは利用する鳥の種類によって決まっていて,この巣箱はシジュウカラ用に直径28ミリにしています。